アスペルガーの症状は、以下の通りです。

1)空気を読むことが極めて苦手で、会社に勤め始めると、空気を読むことだけで疲れ果てて、精神的に疲労困憊してしまう。学生時代までは、なんとかいけることが多い。

空気を読むことの上位概念として、気配りができる、気が利くという、高度な対人関係があることが分からない。

2)しばしば重要な場面で、相手の言葉の奥の意味がわからない(行間が読めない)(1対1ならなんとか解っても多人数の場面で難しく、10人以上の場面では、ほとんど掴めない)。

3)自分は丁寧に話したつもりでいるが、相手から見るとひどくぞんざいな言葉遣いをしている自分に気が付かない。(敬語や謙譲語を使えない)。

4)小説を読んでも主人公という生身の人間の重層的階層的な人間性のイメージをいだくことができないので、小説が嫌い。テレビ依存やネット依存になりやすい。

5)集団行動ができず、突然、単独行動をはじめることが多い。

6)数字や記号に形や色や味がついている場合がある。

7)ほとんど意味がない事への異常なこだわりとそれを他人に押し付けようとする傾向がある。

8)人間関係がドラマチックに変わるときに、どうしていいかわからなくなる(進学、就職、本社から支店、平社員から管理職、東京から地方、地方から東京、日本から外国)。

8)自分の意見をひとに押し付けようとして、対人関係トラブルをひきおすが、逆に拒絶されたことで被害妄想になる。

9)冗談が、冗談であると分からない(日本人は駄洒落、ヨーロッパ人アメリカ人はジョークを理解できない)。冗談、駄洒落が言えない。駄洒落や冗談を軽蔑する。

10)マニュアル化された事がないと、不安で不安でいられない。マニュアルを他人に強要する。

11)人よりも物や事に魅力を感じる(高級ブランド、限定商品、限定イベント、普通の人と全く変わった場所への旅行)。

12)スポーツに対して苦手意識がとても強く、時にスポーツをひどく憎む。その価値を否定する。

13)新しいことチャレンジすることができないので、どんどん行動範囲が狭まっていく。

14)あらかじめ答えのわかっていない状況を、回避する、時に引きこもる。

15)子育てのような、未知の世界に溢れた事が怖い。うまくいかないと容易にパニックになる。

16)自分の話に相手が退屈していても気づかない。

17)電話で要点を話すことが出来ないので、ほとんど長電話になってしまう。

18)自分がこう言うと、相手はこう思うかもしれないという想像ができない。

19)とても頑固である。

20)将来を予測することが全くできない、過去にしがみつく。

21)多くの人が話していると、その中から1人の声を聞き取れない。

22)子供の頃、ほかの子たちと「ごっこ遊び」ができなかった。

23)歩き方や動作がぎこちない。

24)心の視野が狭く、心の視野の広い人を憎む傾向がある。

自分がアスペルガーだと認められないと、治療に入れません。

 

 

<脳科学と心理学の融合>

心理学の無意識は最新の脳科学研究によって説明されるようになりました。詳細は岡野憲一郎先生の著書をお読みください。

人並みはずれた深い洞察力と幅広い教養と驚くべき柔軟性を併せ持った岡野先生は「心理学と脳科学」の橋渡しができる方です。

ヒトゲノムプロジェクトが終了して分子生物学の謎がほぼ解明された2003年からは、脳科学の研究に目が向けられるようになりました。アメリカでは2013年にオバマ大統領のもとで、脳の全ての機能を解析しようという「ブレインーイニシアティブ」が計画されました。2025年までに5500億円もの巨額の国家予算の付いた、アメリカの国をあげてのプロジェクトが始まりました。20世紀後半は分子生物学の時代であり、21世紀前半は脳科学の時代であるといえます。脳科学研究の進歩によって他の医学のすべての分野と同じく脳のメカニズムは徐々にではありますが解明されつつあります。

<認知行動療法>

​認知行動療法は、うつ病治療において薬物療法以外で、世界中で有効性の科学的評価が確立している治療法です。創始者はアーロンベック先生です。

1960年ごろベック先生は、「うつ病」には既存のどの心理学でも説明のつかない独特の認知メカニズムがあることに気づきました。それ以降認知心理学の研究をはじめました。うつ病の認知療法に関する初めての論文が書かれたのは1963年のことでした。それからベック先生の研究は、うつ病のネガティブな自動思考とそれを修正する研究に向かいました。大規模な有効性の実証研究がいくつも行われて、認知療法のうつ病に対する有効性が次第に明らかになっていきました。そして認知療法の実践はヨーロッパなどアメリカ以外にも広がっていきました。その結果1980年代には国際認知療法学会が創設されました。ベック先生はさらに行動療法的手法をも取り込むことで、うつ病の患者さんがより良くなるように研究を重ねました。認知行動療法の有効性の詳細については、ランセット等をご覧ください。​