漢方を科学する

 

 

当院では、不眠、うつ病、不安障害、パニック障害、頭痛、疲労、体のふしぶしの痛み(これで困ってらっしゃる方が多い)などに対して、どうしても西洋の薬を使いたくないという方には、漢方を処方しています。

2003年にヒトゲノムプロジェクトが終了してから、ヒトDNAが確定しただけでなく、体の健康を保つ「酵素」も、20世紀には数百種類と言われていたのが何と数万種類もあることがわかり、その働きが急速に明らかになってきました。酵素のアクティベイトには、「量子ゆらぎ」効果がかかわっていると示唆されています。

それとともに、漢方は「酵素」&「補酵素」&「微量元素」と深くかかわっていることがわかってきました。

アメリカのFDAでも2011年から漢方に対する治験が開始されました。

 

漢方には数種類のタイプがあります。

A)脳神経細胞を栄養する微少血管の詰まりを改善   

B)心臓の微少血管の詰まりを改善

C)下半身の微少血管の詰まりを改善

D)皮膚の微少血管の詰まりを改善 

 AからDまでは一酸化窒素(NO)合成「酵素」と血管内皮修復「酵素」に関与し微少血管を拡張するだけでなく修復もします。

 また、血液流動性を亢進させる(赤血球変形能↑、赤血球粘着性↓、白血球粘着性↓、血小板凝集能↓)ことによって、微少血管内の流動性を改善します。→わかりやすく言うと「血液をサラサラにする」

E)免疫力を高め炎症を抑える

 樹状細胞の感受性やT細胞を「酵素」を使って素早く活性化し、免疫の反応スピードを格段にスピードアップさせます。同時に「酵素活性を高め」炎症も押さえ込む

F)体中の細胞に13種類あるアクアポリンの活性を「酵素」により調整し

 脳、上半身、下半身、皮膚の細胞水分量を調節します

 少なければ増やし(細胞乾燥を潤します)

 多ければ減らします(細胞浮腫を取ります)

 狭義の心療内科領域でも漢方は

 1)脳神経細胞のつまりを取り除いてくれます。

 2)個人的な恐怖体験で興奮する<大脳扁桃体ー海馬>

  の炎症を静めます。

 3)不安定になる<前頭葉前野>の機能を改善します。

   4)「脳神経細胞」の水分量を調節します。

  脳の痛み、過剰興奮、せん妄、微少妄想その他の様々な症状を鎮めます。

 5)前頭葉前野(理性)、扁桃体(恐怖)、側座核(報酬系)、

  劣位半球ー大脳基底核ー小脳(無意識)、海馬(記憶)から始まって

  脳幹部に至るまで様々な脳のネットワークの機能を微調整してくれます。

 

 

<脳科学と心理学の融合>

心理学の無意識は最新の脳科学研究によって説明されるようになりました。詳細は岡野憲一郎先生の著書をお読みください。

人並みはずれた深い洞察力と幅広い教養と驚くべき柔軟性を併せ持った岡野先生は「心理学と脳科学」の橋渡しができる方です。

ヒトゲノムプロジェクトが終了して分子生物学の謎がほぼ解明された2003年からは、脳科学の研究に目が向けられるようになりました。アメリカでは2013年にオバマ大統領のもとで、脳の全ての機能を解析しようという「ブレインーイニシアティブ」が計画されました。2025年までに5500億円もの巨額の国家予算の付いた、アメリカの国をあげてのプロジェクトが始まりました。20世紀後半は分子生物学の時代であり、21世紀前半は脳科学の時代であるといえます。脳科学研究の進歩によって他の医学のすべての分野と同じく脳のメカニズムは徐々にではありますが解明されつつあります。

<認知行動療法>

​認知行動療法は、うつ病治療において薬物療法以外で、世界中で有効性の科学的評価が確立している治療法です。創始者はアーロンベック先生です。

1960年ごろベック先生は、「うつ病」には既存のどの心理学でも説明のつかない独特の認知メカニズムがあることに気づきました。それ以降認知心理学の研究をはじめました。うつ病の認知療法に関する初めての論文が書かれたのは1963年のことでした。それからベック先生の研究は、うつ病のネガティブな自動思考とそれを修正する研究に向かいました。大規模な有効性の実証研究がいくつも行われて、認知療法のうつ病に対する有効性が次第に明らかになっていきました。そして認知療法の実践はヨーロッパなどアメリカ以外にも広がっていきました。その結果1980年代には国際認知療法学会が創設されました。ベック先生はさらに行動療法的手法をも取り込むことで、うつ病の患者さんがより良くなるように研究を重ねました。認知行動療法の有効性の詳細については、ランセット等をご覧ください。​